FRPP45  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
ビームコリメータ部のQSC電磁石用六軸架台の試作
Protoype of six-axis mount for QSC magnet in beam collimator area
 
○白形 政司(高エ研)
○Masashi Shirakata (KEK/J-PARC)
 
茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設J-PARCでは、取り扱う陽子ビームの品質を上げるためにビームラインおよび加速器の各所にビームコリメータを設置している。ビームコリメータはビームのハロー成分を物理的に取り除く際、多量の高エネルギーγ線、中性子線を周囲に放射するため、鉄やコンクリートを使って適切に遮蔽を行う必要がある。MR行きビームを整形する3-50BTコリメータでは、MRの大強度化に向けて2010年に許容するビームロス量を450 Wから2 kWまで増やし、環境への放射線量増加にはビームライン全体を覆う鉄製の門型遮蔽を建築することで対応した。しかしながら、門型遮蔽の増築によってコリメータ部では作業者が立てる空間さえ無くなり、コリメータ本体およびコリメータ間に設置してある四極電磁石の保守作業性は大幅に低下した。特に四極電磁石のアラインメント作業は、今後残留放射線量が上昇すると、ほとんど不可能となる。そのため、遮蔽体の下に作業者が潜り込んだりする必要の無い、簡便な電磁石アラインメントを可能とする六軸架台を考案した。ここでは試作機の概要、操作性、安定性について報告する。