FRPP44  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
J-PARCメインリング入射キッカー電磁石のための新しい終端抵抗器の性能評価
Performance of new termination resistors of J-PARC Main Ring injection kicker magnet
 
○杉本 拓也,石井 恒次,芝田 達伸,松本 浩(高エネ研)
○Takuya Sugimoto, Koji Ishii, Tatsunobu Shibata, Hiroshi Matsumoto (KEK)
 
J-PARCメインリングでは、バンチ当たりの粒子数を増やし、繰り返し周期を短縮する事により、早い取り出し方式による陽子ビーム出力を1.3MWへアップグレードする事を計画している。これまでの研究により、1.3MW運転では、パルス励磁電流による発熱と陽子ビームにより誘起される電流により、入射キッカー電磁石の終端抵抗器では最大で1kWの発熱が見積もられ、その結果、抵抗器の表面温度が350℃を超える事がわかったため、終端抵抗器の容量を増加する事が求められた。導電性セラミックで作られた抵抗体と電極金具との境界における放電を抑制するため、電極を抵抗体にろう付けしている。抵抗器の容量を増加するには、大口径の抵抗体を製作する必要があったが、ろう付け可能な材料で製作できる抵抗体の外径は30mmが上限であった。そのため、中空の抵抗体内部に熱伝導率が高い絶縁体を挿入する事で、抵抗体を間接的に冷却する手法を採用した。本報告では、試験設備における通電試験によって得られた、絶縁体の種類や形状の違いによる抵抗体表面温度の測定結果ならびに長時間連続運転における安定性について議論する。