FRPP43  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
J-PARC MR新入射セプタム1の追加磁気シールドによる漏れ磁場軽減
The reduction of the leakage field of the new injection septum magnet 1 with the new magnetic shield in MR J-PARC
 
○芝田 達伸,松本 教之,石井 恒次,杉本 拓也,松本 浩(高エネ研)
○Tatsunobu Shibata, Noriyuki Matsumoto, Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Hiroshi Matsumoto (KEK)
 
2016年J-PARCのMRに新しい入射用高磁場セプタムがインストールされた。従来使用されていた入射用高磁場セプタム(入射セプタム1)はMRのアップグレードのために交換する必要があった。そこで2016年に新しい高磁場用のセプタム電磁石に交換された。通称新入射セプタム1と呼ぶ。新入射セプタム1は導入以降初期不良を除いては安定した運転を続けている。一方残された課題は周回ラインへの漏れ磁場である。周回ダクトは純鉄製を使用し、そのダクトをさらに二重の鉄シールドで覆ってあるため周回ダクト内の漏れ磁場は±1Gauss以下になっている。しかし周回ダクトより上流の領域には最大10Gauss程度の磁場の領域が存在する事が分かっていた。それはビーム加速開始直後の0.2秒間で積分磁場の最大が0.2mTmであった。この値は従来よりも小さい値であり漏れ磁場軽減に成功したという結果である。最大10Gaussのその磁場は入射セプタム1の入射側に見えるむき出しのコイルが作る空間磁場である。そのため更なる漏れ磁場の軽減が可能であると考えた。そこで新しく漏れ磁場を設計し漏れ磁場の軽減を試みた。ただし重要な条件がある。周回ラインのすぐ上流にはQマグネットがあり、Qマグネットの漏れ磁場を磁気シールドで軽減するとビーム収束が変化してしまう。よってQマグネットの漏れ磁場には影響しないように磁気シールドを設計する必要があった。本発表では磁気シールドの製作と試験結果について報告する。