FRPP40  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
J-PARCクライストロン高圧電源における電圧ドループの影響解析
Analysis of Voltage Droop on J-PARC Klystron High Voltage Power Supply
 
○不破 康裕,小野 礼人,高柳 智弘,篠崎 信一(JAEA),溝端 仁志,方 志高(KEK)
○Yasuhiro Fuwa, Ayato Ono, Tomohiro Takayanagi, Shinichi Shinozaki (JAEA), Satoshi Mizobata, Zhigao Fang (KEK)
 
J-PARC リニアックではクライストロンを駆動する電源として直流高圧電源を使用している。これらの高圧電源は定格電圧 110 kV のアノード変調型電源で、1 台の直流高圧電源に対して最大で 4 本のクライストロンを接続して運用している。このように複数のクライストロンを 1 台の直流高圧電源で駆動しているため、ビームパルス後半において高圧電源のコンデンサバンクの電圧ドループが生じる。この影響でクライストロンの出力低下が起こり、安定なビーム加速を維持する上での課題となっている。また、現有の直流高圧電源の半数は J-PARC 建設当初に導入され、残りの半数はリニアック 400 MeV アップグレード時に導入されたものであり経年劣化が現れ始めている。今後、経年劣化が生じたコンデンサを部分的あるいは全面的に交換するなどの対策が必要になり、安定運転を維持するためにはコンデンサバンクの構成を変更した際の直流高圧電源の運転挙動を改めて評価する必要がある。本発表では、現状の構成での電圧ドループやそれによる電圧低下がクライストロンに与える影響、及びコンデンサバンクの構成を変更した際の影響を数値計算や実測結果を用いて評価し、今後の安定なビーム運転に必要な対策を論じる。