FRPP21  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
Geant4 へのレーザー・コンプトン散乱ガンマ線源の実装
Implementation of a Laser Compton Scattered gamma-ray source in Geant4
 
○羽島 良一(量研)
○Ryoichi Hajima (QST)
 
レーザー・コンプトン散乱(LCS)は、エネルギー可変かつ準単色のガンマ線ビームを生成する技術であり、基礎科学から産業分野まで幅広い利用が進んでいる。LCSガンマ線の利用では、単色化のためのコリメータ、照射する試料や検出器の配置を実験ごとに組み替えるため、これら配置を最適化するためのツールが必要である。本研究では、ガンマ線の発生から物質との相互作用、検出器のレスポンスまでを一貫してシミュレーションできる環境を実現するため、Geant4にLCSガンマ線源の実装を行った。入力ファイル(マクロファイル)にて電子ビーム、レーザービームのパラメータを指定すれば、これらパラメータを反映したLCSガンマ線を一次ビームとして生成するものである。電子とレーザーの衝突の物理過程を追いかけるのではなく、電子ビームとレーザービームの6次元分布とクライン仁科の式を使ったランダム・サンプリングからLCSガンマ線を生成するので、実用的な速度で一次ビームを生成できる。本研究は、科研費17H02818の成果である。