FRPP20  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
理研超伝導リニアック用ビームエネルギー・位置モニターのコミッショニング
Commissioning of the Beam energy position monitor system for the Superconducting RIKEN Heavy-ion Linac
 
○渡邉 環(理研),外山 毅(高エネ研),花村 幸篤(三菱電機システムサービス),今尾 浩士,内山 暁仁,大関 和貴,上垣外 修一,坂本 成彦,西 隆博,福西 暢尚,山田 一成,渡邉 裕(理研),小山 亮(住重加速器サービス),鴨志田 敦史(日本ナショナルインスツルメンツ)
○Tamaki Watanabe (RIKEN), Takeshi Toyama (KEK), Kotoku Hanamura (Mitsubishi Electric System & Service Co.,Ltd.), Hiroshi Imao, Akito Uchiyama, Kazutaka Ozeki, Osamu Kamigaito, Naruhiko Sakamoto, Takahiro Nishi, Nobuhisa Fukunishi, Kazunari Yamada, Yutaka Watanabe (RIKEN), Ryo Koyama (SHI Accelerator Service Ltd.), Atsushi Kamoshida (National Instruments Japan Corporation)
 
理研重イオン線形加速器RILACの後段に、新規に理研超伝導線形加速器SRILACを建設し、重イオンビーム加速のコミッショニングに成功した。このSRILACは、ニホニウムに続く新超重元素発見や、医療用放射線同位元素の製造を目指す最先端の装置である。しかしながら、特有の問題として、脱ガスによる超伝導加速空洞のQ値の低下・表面抵抗変化、ビームロスを1W / m以下に抑える必要性、が挙げられる。そこで、放物線カットという電極形状のピックアップを用いたビームエネルギー・位置モニター(BEPM)の高感度な非破壊測定によってこの問題を解決し、重イオンビーム加速を達成した。このシステムでは、10 enA台の非常に微弱なビーム電流であっても測定が可能である。ビーム位置の計算には、ワイヤーの位置と各電極の出力の相関を測定する校正作業(マッピング) で得られたデータを用いている。また、2台のBEPMによる飛行時間(TOF)の測定から、ビームの位置情報と同時に、ビームエネルギー値も得られるという利点を有する。このビームエネルギー測定によって、SRILACの適切な高周波加速位相を決定している。さらに、ピックアップに当たったビームロスを素早く検出し、ビームを止めるオペレーションが可能になっている。今回の学会では、BEPMシステムの詳細、コミッショニングの結果とビームサイズ測定の検討について報告する。