FRPP14  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
サイクロトロンの位相プローブを用いたビーム強度測定
Measurement of beam intensity using a phase probe in a cyclotron
 
○柏木 啓次,宮脇 信正,倉島 俊(量研高崎)
○Hirotsugu Kashiwagi, Nobumasa Miyawaki, Satoshi Kurashima (QST Takasaki)
 
TIARA AVFサイクロトロンでは、材料・バイオ研究等のために様々な軽・重イオンビームを頻繁に切り替えて提供している。このビーム切り替えに伴うビーム入射調整を効率的に行うため、入射ビームのエミッタンスとサイクロトロンのアクセプタンスの計測に基づいた入射調整方法を開発している。 アクセプタンスの測定は、入射ビームの位相空間領域の微小領域をスリットで切り出し、その領域が加速されるか否かをサイクロトロン内部の電流測定プローブで測定する。この測定には数nA以下の測定精度が必要であるが、このプローブによる測定下限電流は約7nAであるため、測定する位相空間微小領域を広げてプローブで測定可能なビーム強度に調整する必要があり、低精度での測定のみが可能であった。この測定電流値の下限を制限しているのは主に水冷や加速RFによるノイズである。そこでより高精度な測定を可能にするため、通常ビーム位相の測定に用いている非水冷の位相プローブによるビーム強度測定を行った。この位相プローブは上下1対の平行平板電極であり、電極間隙を通過したビームによって誘起されたピックアップシグナルを測定に用いる。このシグナルには加速RF信号が重畳されるため、ビーム由来成分のみを測定するためにはロックインアンプを用いる。本発表ではスペクトラムアナライザによるビーム有無での周波数成分測定及びロックインアンプによるビーム強度測定の結果について報告する。