FRPP13  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
コンパクトERLにおける赤外FEL設置のためのビーム診断系改造
Beam diagnostic system modification for IR-FEL installation at the compact ERL
 
○高井 良太,内山 隆司,野上 隆史,谷本 育律,下ヶ橋 秀典,帯名 崇(高エネ研)
○Ryota Takai, Takashi Uchiyama, Takashi Nogami, Yasunori Tanimoto, Hidenori Sagehashi, Takashi Obina (KEK)
 
KEKで稼働中のコンパクトERL(cERL)では、次世代レーザー加工に向けた新規光源開発の一環として、中赤外領域の自由電子レーザー(FEL)が設置された。本発表では、このFEL設置に伴うビーム診断系の移設・新設・改造について報告する。ビーム位置モニター(BPM)に関しては、既存BPMの移設のみで総数の増減はなかったが、アンジュレータ区間のビーム位置精密測定用に市販の信号処理回路“Libera Spark EL”を3台導入した。スクリーンモニターは7台新設,2台廃止,3台移設となり、計5台の増設となった。特に、垂直方向の開口が7.8 mm,ビーム進行方向の長さが3 mと非常に狭長なアンジュレータ用チェンバーには、アンジュレータ磁場中でのビームプロファイルの変化を観測するため、ICF34ポートを利用した小型スクリーンモニターを3台設置した。また、アンジュレータ前後の2段式スクリーンモニターには、従来のCe:YAGシンチレータと切り替えられる形で赤外光導入/取り出し用の穴開き金コートミラーを取り付けた。他にもビームロスモニターやNDフィルターチェンジャーを増設し、2020年3月に行われたFELのファーストコミッショニングではその成功に大きく貢献した。