FRPP08  ポスターセッション③  9月4日 ポスター会場 10:30-12:30
長距離ウェーク場を含む不均等蓄積したビームの集団不安定性のIIRフィルターを用いた解析
Analysis of collective instabilities of uneven filled beams including long range wake fields using an IIR filter
 
○外山 毅,小林 愛音,中村 剛(高エネ研),菖蒲田 義博(原研)
○Takeshi Toyama, Aine Kobayashi, Takeshi Nakamura (KEK), Yoshihiro Shobuda (JAEA)
 
J-PARCの様な大強度ビーム加速器では、ビームが発生するウェーク場がビーム自身に働き不安定な運動を引き起こす。これがビーム損失の原因の一つとなり、ビーム強度の増強に制限を与える。不安定性の理論的計算のほとんどが、リングに対称に蓄積されたバンチを対象にしているため、J-PARC MRでの9個のRFバケツに対して8個のバンチの蓄積、スタディでの不均等な蓄積などの場合、解析が難しくなっている。シミュレーションにおいても、壁抵抗によるウェーク場などの長距離で生き残るものは計算が簡単ではない。例えば、J-PARC MRでは、壁抵抗のウェーク場は減衰時間〜1 ms(200 ターン)程度と見積もられている。この様なウェーク場でも、ビーム振動からキック力への伝達関数をIIR(infinite impulse response)フィルターで近似すると、数ターン前までの履歴情報のみで計算可能となる。壁抵抗ウェーク場は、文献[1], [2]よりexp(-αs)の形の重ね合わせで表現できるので、線形系を記述するIIR filterで表すことができるのである。逆に、ウェーク場が線形系で記述できれば本方法が適用できる。Rigid bunchモデルの場合の計算方法、J-PARC MRに適用した結果、さらに、macro-particle simulation への応用結果を報告する。 [1] Y. Shobuda and K. Yokoya, PHYSICAL REVIEW E 66, 056501, 2002. [2] E. Métral, CERN-AB-2005-084.