FROT07  真空  9月4日 講演会場2 17:20-17:40
SuperKEKB加速器用Low-Zコリメータの開発
Development of low-Z collimator for SuperKEKB
 
○照井 真司,石橋 拓弥,船越 義裕,阿部 哲郎(高エネ研)
○Shinji Terui, Takuya Ishibashi, Yoshihiro Funakoshi, Tetsuo Abe (KEK)
 
SuperKEKBの目標ピークルミノシティはKEKBの約40倍の8×1035 cm-2s-1である。 この目標を実現するためにSuperKEKBでは蓄積電流を2.6 A(電子リング)、3.6 A(陽電子リング)、また、約5 mm(電子リング)、約6 mm(陽電子リング)という短いバンチ長さでデザインしている。 コリメータはビーム軌道近くのハローを削る装置で、素粒子検出器(Belle II)のバックグラウンドを低減するために使用される重要な装置である。 このコリメータは、現在まで4回運転時にビームが衝突して損傷した。 この損傷後は、バックグラウンドの増大が観測され、正常な運転に支障をきたすこともあった。 この事象への対策のために、現在、ビームが衝突しても壊れにくい機器保護に特化したコリメータの開発が行われている。 このコリメータの素材は、大電流のビームが衝突した際にもEnergy depositが小さくなるように、Low-Zな素材を選択する必要があり、計算の結果カーボンが第1候補となった。 本学会では、素材の選択のために行った計算の結果、このコリメータでスキャッタされた後のビームのトラッキング結果、ビームインピーダンス計算の結果、接合試験、空洞を用いた高周波領域でのカーボンの電気伝導度測定試験等について報告する。