FROT06  真空  9月4日 講演会場2 17:00-17:20
無酸素Pd/Tiコーティングを利用した量産型ICF203ゼロレングス非蒸発型ゲッター(NEG)ポンプの性能評価
Evaluation of massproduction-type ICF203 zero-length nonevaporable getter (NEG) pumps using oxygen-free Pd/Ti
 
西口 宏((有)バロックインターナショナル),小野 真聖,吉岡 和夫,吉川 一朗(東大),佐藤 裕太,大野 真也(横国大),加藤 良浩(入江工研(株)),菊地 貴司(KEK),○間瀬 一彦(KEK、総研大)
Hiromu Nishiguchi (Baroque International Inc.), Masato Ono, Kazuo Yoshioka, Ichiro Yoshikawa (The Univ. of Tokyo), Yuta Sato, Shinya Ohno (Yokohama Natl. Univ.), Yoshihiro Kato (Irie Koken Co., Ltd.), Takashi Kikuchi (KEK), ○Kazuhiko Mase (KEK, SOKENDAI)
 
最近KEKの間瀬らは新しい非蒸発型ゲッター(NEG)である無酸素Pd/Tiを開発した[1,2]。無酸素Pd/Ti は133℃で12時間加熱するとH2とCOを排気する。H2とCOに対する排気速度は、真空排気とベーキング、大気導入のサイクルを繰り返しても低下しないという特長を持つ[3]。KEKは本技術を(有)バロックインターナショナルと入江工研(株)に移転し、低コスト量産技術の開発を進めている。今回(有)バロックインターナショナルが製造したICF203ゼロレングスNEGポンプ2枚について排気速度を測定した結果、150℃、12時間ベーキングで活性化したあとのH2に対する排気速度は、排気量0.07 Pa Lにおいてそれぞれ2800、3200 L/s、150℃、6時間ベーキングで活性化したあとのCOに対する排気速度は排気量0.003 Pa Lにおいてそれぞれ500、1100 L/sであった。H2に対する排気速度は昨年の加速器学会で報告した値[4]よりも2倍以上大きく、COに対する排気速度は昨年の加速器学会で報告した値[4]よりも小さい。以上の結果から、形状と蒸着条件を最適化すれば高排気速度NEGポンプを量産できることがわかった。 [1] PCT/JP2017/042682「非蒸発型ゲッタコーティング部品、容器、製法、装置」(審査請求中)。 [2] T. Miyazawa et al., J. Vac. Sci. Technol. A 36, 051601 (2018). [3] T. Kikuchi et al., AIP Conf. Proc. 2054, 060046 (2019). [4] 佐藤裕太ら、PASJ2019プロシーディングス、FRPH017 (2019)。