FROT05  ビームダイナミクス/電子加速器  9月4日 講演会場2 16:20-16:40
レーザープラズマ電子加速器への極短電子バンチ入射器のための低ジッタ同期システムの開発
Development of a low jitter synchronization between an ultrashort electron bunch linac and a laser plasma electron accelerator
 
○益田 伸一,増田 剛正,熊谷 教孝,大竹 雄次(高輝度光科学研究センター)
○Shinichi Masuda, Takemasa Masuda, Noritaka Kumagai, Yuji Otake (JASRI)
 
高強度超短パルスレーザーにより励起される大振幅プラズマ波により電子を加速するレーザープラズマ電子加速の実用化を目指した研究が行われている。我々は、プラズマ波の加速特性を調べるため、プラズマ波への電子入射器として、超短電子バンチを生成するための線形加速器を開発している。本線形加速器開発において重要な点は、典型的なプラズマ波長が10〜100 fs程度であるため、電子バンチ入射とプラズマ波励起間の同期に、極めて高精度のタイミング制御が必要となることである。同期システムは、全ての基準信号となる高精度低位相雑音のRFマスターオシレータ、およびそれに同期した超高速レーザー発振器が基本構成となる。RFマスターオシレータは開発が終わり調整の段階にあり、出力周波数5712MHzの側波帯10Hz点での雑音レベルは-100dBcが達成されている。現在我々は、レーザー発振器の設計を進めている。レーザー発振器のキャビティ長およびポンプパワーに変調を加えることによって、光パルス列を前述のRFマスターオシレータに位相を固定して同期をとる。この技術とRFマスターオシレータの世界最高水準の低雑音性能により、10fs以下の同期精度が期待できる。レーザー発振器からの光パルスは波長変換・増幅した後、プラズマ波励起レーザーおよび光陰極駆動レーザーの種光として供給され、電子発生・電子入射・プラズマ波励起の精密同期が行われる。