FROT02  ビームダイナミクス/電子加速器  9月4日 講演会場2 15:20-15:40
ミューオン線型加速器におけるスピンダイナミクスシミュレーション
Spin Dynamics Simulation in the Muon Accelerator
 
○安田 浩昌(東大理),飯沼 裕美(茨大理工),大谷 将士,河村 成肇(高エ研),北村 遼,近藤 恭弘(原研),齊藤 直人(J-PARCセンター),佐藤 優太郎(茨大理工),須江 祐貴(名大理),竹内 佑甫(九大理),中沢 雄河(茨大理),三部 勉,山崎 高幸(高エ研),森下 卓俊(原研),四塚 麻衣(名大理)
○Hiromasa Yasuda (Univ. of Tokyo), Hiromi Iinuma (Ibaraki Univ.), Masashi Otani, Naritoshi Kawamura (KEK), Ryo Kitamura, Yasuhiro Kondo (JAEA), Naohito Saito (J-PARC), Yutaro Sato (Ibaraki Univ.), Yuki Sue (Nagoya Univ.), Yusuke Takeuchi (Kyushu Univ.), Yuga Nakazawa (Ibaraki Univ.), Tsutomu Mibe, Takayuki Yamazaki (KEK), Takatoshi Morishita (JAEA), Mai Yotsuzuka (Nagoya Univ.)
 
素粒子物理学における大きな問題として、ミューオンの異常磁気モーメント(g-2)の不一致がある。ミューオンg-2の実験値と素粒子標準模型による理論値との間に3.7σの乖離が存在している。これは標準模型を超えた物理を示唆しており、精度を向上した実験にて検証を行う必要がある。我々はブルックヘブン国立研究所での先行実験とは異なる手法による実験をJ-PARCにて行う予定である。本実験はミューオンスピンのダイナミクスを測定する実験であり、測定に至るまでのスピンダイナミクスの理解が重要である。特に我々の研究により、運動量とスピン方向に相関が生じる場合、ミューオンg-2の測定値を系統的にシフトすることがわかった。この運動量-スピン方向の相関を理解するために、ミューオン線形加速器中のスピンダイナミクスを理解する必要がある。従来のミューオン線形加速器のシミュレーションは複数のソフトウェアで行われており、統一的にスピンダイナミクスのシミュレーションを行うことができなかった。この問題を解決するために、GPT(General Particle Tracer)を用いた拡張プログラムによってスピンダイナミクスの計算を行った。本講演ではGPTによるミューオン線形加速器のEnd-to-Endシミュレーション及びスピンダイナミクスシミュレーションの結果について報告する。