FROO05  粒子源/加速構造①  9月4日 講演会場1 16:20-16:40
加速空洞用真空容器の消磁手法の検討
Study of demagnetization of a vacuum vessel for Superconducting rf cavities
 
○増澤 美佳(KEK)
○Mika Masuzawa (KEK)
 
超伝導空洞用磁気シールドを設計する場合には空洞が組み込まれるクライオモジュールの内部磁場、つまり空洞にとっての外場磁場の強さを評価する必要がある。加速空洞用のクライオモジュール内の真空容器は鉄製のものが多く、真空容器自身が地磁気(0.5G程度)に対する第一段としての磁気シールドの役割を担うことが期待される。一方で、真空容器が鉄製であることから、その製作過程で例えばマグチャックの使用があったり溶接があったりした場合には局所的に容易に磁化されてしまうという難点がある。 実際にクライオモジュール内の空間磁場を測定してみると、地磁気よりも高い部分ができていたりする。これでは真空容器が第一段の磁気シールドとしての役割を果たしていないどころか空洞用磁気シールドへの負担を増やす結果となっている。真空容器の局所的な磁化を防ぐためには、例えば製作工程でマグチャックを使わない等のマネジメント強化が考えられるが、それは製作費用アップにつながってしまう可能性がある。そこで我々は様々な理由で局所的に磁化された状態で納品される真空容器を設置現場で消磁する手法についての検討を行った。本論文ではクライオモジュールに巻いた二種類のコイルによる消磁実験について報告する。