WEPI044  ハドロン加速器  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
J-PARC 3-50BTビーム輸送系磁石の仮復旧に関するビーム軌道の検討
Beam Orbit Study for a Temporary Recovery of the J-PARC 3-50BT Magnet
 
○冨澤 正人,五十嵐 進,佐藤 洋一,白形 政司,高野 淳平,武藤 亮太郎(高エネルギー加速器研究機構)
○Masahito Tomizawa, Susumu Igarashi, Yoichi Sato, Masashi Shirakata, Junpei Takano, Ryotaro Muto (KEK)
 
2019年2月初旬から、約2ヶ月半の予定で遅い取り出しビームを用いたビーム運転が開始された。3月下旬にRCSからMain Ringへのビーム輸送系(3-50BT)の偏向電磁石1台の下側のコイルが部分的にショートした。調査と議論の結果、ショートしたコイル層をバイパスし運転再開を行う方針になった。この議論の中で、故障した磁石周辺の偏向電磁石とステアリング磁石で軌道を 補正することにより、どこまで磁場を下げることができるかをSADコードを使い評価した。最終的には、運転再開前の試験において電流を故障前より多く流すことで磁場を回復できることがわかった。ただし上下非対称励磁により発生するskew成分のビームへの影響が懸念された。 2次元磁場計算による結果をもとに、SADコードによるトラッキングで通過するビームのエミッタンスグロースを評価した。運転再開約2週間後に、同じ磁石でコイルショートが再発した。短期間ではあるが今度は磁場を若干下げた状態で、上流・下流のステアリング磁石で軌道を補正することにより運転を続けることができた。以上述べたような3-50BTビーム輸送系磁石の仮復旧に伴うビーム軌道の検討結果に加えてビームによる測定結果も含めて報告する。