WEPI037  粒子源  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
マルチイオン照射のための小型ECRイオン源の開発
Development of a compact ECR ion source for multiple-ion therapy
 
○大内 章央,鈴木 太久,高橋 勝之,白石 直浩,佐々野 利信(加速器エンジニアリング株式会社),村松 正幸,岩田 佳之,水島 康太,北川 敦志(量研機構 放医研)
○Fumihisa Ouchi, Taku Suzuki, Katsuyuki Takahashi, Tadahiro Shiraishi, Toshinobu Sasano (AEC), Masayuki Muramatsu, Yoshiyuki Iwata, Kouta Mizushima, Atsushi Kitagawa (QST)
 
放医研(NIRS)の重粒子線がん治療装置(HIMAC)では,治療用炭素を生成する10 GHz ECRイオン源(NIRS-ECR)の他,生物・物理実験に於いて様々なイオン種の供給を行う18 GHz ECRイオン源(NIRS-HEC),小型ECRイオン源(Kei2),PIGイオン源の4台のイオン源が稼働している.現在,NIRSでは数種類のイオンを標的に照射することで理想的なLETおよび線量分布を形成するマルチイオン照射を推進している.想定されるイオン種はHe,C,O,Neの4種類で,複数のイオン源を専有すれば容易に切り替えが可能となるが,普及型の治療施設では,コストと運転・メンテナンスの観点から,永久磁石型のECRイオン源1台で対応することが望まれる.現在普及型施設で使用されている小型ECRイオン源のKeiシリーズでは,ネオンの多価イオン生成には十分な閉じ込め磁場が得られていないため,我々は新規イオン源の設計と既存のイオン源を用いた開発を行っている. NIRS-HECにおいて,上記4種類のイオン生成試験を行い,その時の磁場分布を永久磁石で再現することとした.目標のイオンは,普及型治療施設で使用されている線形加速器で利用できるものとし,He2+,C4+,O6+,Ne7+とした.また,治療時間短縮のため,イオン源では高速のイオン種切り替えが必要とされる.今回は既存のガス配管を見直し,約1分でのイオン種切り替えが可能となった.今回は、新規イオン源の磁場を決定するためのビーム試験の結果と,ガス配管構成の検討や試験結果について報告する.