WEPI034  粒子源  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
J-PARCハドロン実験施設におけるビーム窓の飛散防止隔壁の開発
Development of a partition wall to prevent scattering of beam-window fragments at J-PARC Hadron Facility
 
○渡邉 丈晃,上利 恵三,秋山 裕信,青木 和也,家入 正治,加藤 洋二,倉崎 るり,里 嘉典,澤田 真也,高橋 仁,田中 万博,豊田 晃久,広瀬 恵理奈,皆川 道文,森野 雄平,山野井 豊(KEK)
○Hiroaki Watanabe, Keizo Agari, Hironobu Akiyama, Kazuya Aoki, Masaharu Ieiri, Yohji Katoh, Ruri Kurasaki, Yoshinori Sato, Shin'ya Sawada, Hitoshi Takahashi, Kazuhiro Tanaka, Akihisa Toyoda, Erina Hirose, Michifumi Minakawa, Yuhei Morino, Yutaka Yamanoi (KEK)
 
J-PARCハドロン実験施設では、30GeVに加速された陽子ビームを金属標的(以下、標的)へ照射し、そこで生成されるK中間子等の2次粒子を利用したバラエティーに富んだ原子核・素粒子実験を遂行している。 現行の標的は1次陽子のビームパワーで最大約53kWに対応しているが、これを最大約95kWに対応できる標的へのupgradeを計画している。 標的は除熱などの目的のため約1気圧の不活性ガス(ヘリウムガス)が封入された気密容器中に置かれている。一方、陽子ビームは真空ダクト中を輸送されるため、標的の前後にはヘリウムガスと真空を仕切るための気密性のあるビーム窓が必要となる。 標的の大強度化に合わせてビーム窓についても大強度ビームに対応させるため、前回報告の通り金属ベリリウムを採用したビーム窓の設計を行った。 ベリリウムは低密度、低放射化および高熱伝導率などメリットが多いが、一方で毒性があるため特定第一種指定化学物質に指定されている。仮にビーム窓が破損して真空ダクト中に飛散すると、その後のビームライン機器のメンテナンスで多大な負担となることが予想される。 そこで、万が一ビーム窓が破損した場合に備え、ベリリウムの飛散防止のための隔壁(飛散防止隔壁)の開発を行った。 ここでは飛散防止隔壁の設計および実証試験の結果について報告を行う。