WEPI025  ビーム診断・ビーム制御  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
RF-Deflectorを用いた電子ビームの時間分解位相空間分布計測
Time-resolved transverse phase space measurements of the pulsed electron bunches using an rf deflecting cavity
 
○大塚 誠也,佐々木 智則,小柴 裕也,鷲尾 方一(早大理工総研),坂上 和之(東大光量子研)
○Seiya Otsuka, Tomonori Sasaki, Yuya Koshiba, Masakazu Washio (WISE, Waseda Univ.), Kazuyuki Sakaue (UT-PSC, The Univ. of Tokyo)
 
早稲田大学ではRF電子銃から生成される電子ビームを用いた応用研究を行っている。応用研究においては、ベースとなるビームの特性、パラメータの詳細な理解が必須である。特に位相空間分布およびその面積(エミッタンス)は、ビームの品質を表す重要なパラメータである。位相空間分布はビームを時間方向に分解した分布の重ね合わせで表現されるため、ビームの特性の理解や高品質化のためには時間分解された位相空間分布の計測が非常に重要である。本研究ではスリットスキャン法とRF-Deflector法を組み合わせることで電子ビームの横方向時間分解位相空間分布の計測を行った。スリットスキャン法は、ビームの一部をスリットで切り出して自由空間をドリフトさせたときの小片の拡がりから発散角を算出して位相空間分布を取得する方法である。一方RF-Deflectorはビーム進行軸上でRF磁場が共振する空胴である。このRF磁場によってビームを偏向させ、時間方向プロファイルを横方向に直接変換できる。RF-Deflectorで時間方向プロファイルを取得した上で時間分解能より大きな時間幅でビームを時間方向にスライスし、各スライスでスリットスキャンを行うことで時間分解位相空間分布を取得した。本発表ではRF電子銃のパラメータを変化させたときの電子ビームの時間分解位相空間分布の振る舞いを評価し、ビームの特性およびダイナミクスを議論する。