WEPI024  レーザー  7月31日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
クラブ衝突レーザーコンプトン散乱に向けたリング型再生増幅器の開発
Development of a ring type regenerative amplifier for crab crossing laser-Compton scattering
 
○小柴 裕也,森田 遼介,鷲尾 方一(早大),坂上 和之(東大光量子研),東口 武史(宇大),浦川 順治(高エネ研)
○Yuya Koshiba, Ryosuke Morita, Masakazu Washio (Waseda Univ.), Kazuyuki Sakaue (UT-PSC), Takeshi Higashiguchi (Utsunomiya Univ.), Junji Urakawa (KEK)
 
X線の発見から100年以上が経過した現在においても、医療のために病院で使用されるX線、大学・企業における研究開発で使用されるX線はX線管を光源として使用されている。しかしながら高輝度X線のフロンティアはX線自由電子レーザー(XFEL)や放射光(SPring-8等)であり、大型加速器に依存しているため、利用者数は限られる。こういった背景からコンパクトで高輝度なX線源の確立が望まれているのが現状である。レーザーと電子ビームの相互作用によってX線を生み出すレーザーコンプトン散乱(LCS)は小型高輝度X線源としてのポテンシャルを秘めるだけでなく、準単色、エネルギー可変、偏光可変、微小光源などの既存技術にない特徴を持っており、一層の高強度化が望まれている。本研究は電子ビームとレーザーの衝突としてクラブ衝突を行い、衝突角に開きがあるような状況下において、一度の相互作用で生成されるX線光子数を増大することを目的としているが、そのためのレーザーシステムとしてThin-diskと呼ばれるレーザー媒質を活用した再生増幅器の開発を行っている。10ミリジュール、1ピコ秒のレーザー開発を行い、クラブ衝突LCSの原理実証試験を行う予定である。これまで往復型の光共振器を用いた開発を行ってきたが、本年会では、より安定したレーザーシステム開発を目的としたリング型再生増幅器開発について報告する。