WEPH028  電磁石と電源  7月31日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
J-PARC MRアップグレードのための低磁場セプタム電磁石の開発
The new low-field septum magnet for upgrading of fast extraction in MR J-PARC
 
○芝田 達伸(高エネ研),濵野 慧,中村 健太,川口 祐介(ニチコン草津),石井 恒次,杉本 拓也,松本 浩,松本 教之(高エネ研),Fan Kuanjun(HUST)
○Tatsunobu Shibata (KEK), Kei Hamano, Kenta Nakamura, Yusuke Kawaguchi (Nichicon Kusatsu), Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Hiroshi Matsumoto, Noroyuki Matsumoto (KEK), Kuanjun Fan (HUST)
 
J-PARC MRでは速い取り出しのビームパワーを750 kWに増強するためアップグレードが進行中である。750 kWへの増強のためビームの運転周期を現在の2.48秒から1.3秒へと短縮する。MRの入出射用電磁石システムも1.3秒周期への対応のためアップグレードを行っている。現行機の低磁場セプタム電磁石はMR運転開始以降使用を続けているため、セプタムコイルの自身の振動による絶縁破壊が懸念されている。他にもQ成分の漏れ磁場が大きいという問題、ビームパワー増強に伴いビームハローの強度も大きくなると予想されるため磁極のアパーチャーを大きくする必要がある。これらの課題を克服するため、我々は新しい低磁場セプタム電磁石として通常のタイプではなく誘導渦電流型、通称Eddy型という電磁石を導入する。Eddy型はMRの入射部に既に1台使用され実績もある。新しい低磁場セプタム電磁石と新しい電源は2014年に製作され、MRエリア内の電源棟内にテストベンチを構築し試験を行っている。2018年初の1 Hz運転試験を行った。1 Hzの運転は問題なく終了した。漏れ磁場測定も行った。漏れ磁場は磁極内磁場の0.01 %以下を目標にしているがまだ目標には達していない事が判明した。但し大きな漏れ磁場の原因として磁極のアラインメントが挙げられた。今後は磁気遮蔽の追加も含み、アラインメントが課題である。本講演ではここ1年間の試験の成果と残った問題について報告する。