WEPH026  電磁石と電源  7月31日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
J-PARC 崩壊ミュオンビーム輸送系キッカーシステムの現状
Status of Kicker System for the Decay Muon Beamline at J-PARC
 
○藤森 寛,入江 吉郎,永谷 幸則,竹下 聡史(高エネ研)
○Hiroshi Fujimori, Yoshiro Irie, Yukinori Nagatani, Soshi Takeshita (KEK)
 
J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)における崩壊ミュオンビームラインには、ダブルパルスのミュオンビームを二つのシングルパルスに分別し同時に二つの実験エリアに供給するため、キッカーシステムが導入された。運用当初は検出器に乗るキッカーノイズの影響が大きく、ほとんど実験にならない状況であったが、ノイズ遮蔽およびGND対策の効果により一部の検出器において実験が可能になるまでノイズが低減した。しかし、検出器信号と同時にタイミング信号を抽出する実験においてはキッカーノイズの影響は致命的であり、ノイズの根源であるサイラトロン起動時の突入電流を除去するためにノイズフィルターを回路に挿入する対策が講じられたが、検出器へのノイズを低減させる根本的な対策には至らなかった。今回、今までのノイズ根源を除去する方策から視点を変え、伝送ラインに発生する電磁ノイズを効率的に抑える方策として、フェライトコアを用いて伝送ラインのコモンモードノイズを除去する対策が試行された。当該対策によりノイズ低減に進展が見られたので報告する。