WEPH019  加速器応用・産業利用  7月31日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
山形大学医学部東日本重粒子センター建設の現状
Construction Status of East Japan Heavy Ion Center, Faculty of Medicine, Yamagata University
 
○想田 光,金井 貴幸,宮坂 友侑也,家子 義朗,岩井 岳夫,根本 建二,山下 英俊,嘉山 孝正(山形大)
○Hikaru Souda, Takayuki Kanai, Yuya Miyasaka, Yoshiro Ieko, Takeo Iwai, Kenji Nemoto, Hidetoshi Yamashita, Takamasa Kayama (Yamagata Univ.)
 
山形大学では2004年から重粒子線治療装置の設置を計画し、2015年の予算措置を受けて2017年から建屋及び装置の建設を行っている。加速器は普及小型重粒子線治療装置の設計を踏襲し、全永久磁石型ECRイオン源と4 MeV/u RFQ+IH-DTL線形加速器、430 MeV/uシンクロトロンからなり、照射室は水平ポートのみの固定照射室1室と、超伝導回転ガントリー照射室1室の計2室である。加速器と照射室を立体的に配置することで、建物の設置面積は先行施設より大幅に小さい45×45mを実現している。加速器の運用においては、加速-減速のサイクル内でビームエネルギー変更を行う可変エネルギー運転方式を採用する。これにより普及型施設で初めて、レンジシフタを設置せず全てシンクロトロンで約600段のエネルギーを変更するフルエネルギースキャンを行う予定である。同じく普及型施設としては初めての設置となる超伝導回転ガントリーは、偏向角を大きくしたスキャニング磁石を最下流に設置することで、放医研で開発された初号機から約2/3に小型化している。建設状況については、2019年5月現在、建屋がほぼ完成し入射器の現地試験を開始しており、今後ビーム調整及び治療に向けたビームデータ測定・確認を経て2020年8月の治療開始を予定している。