WEOH02  粒子源/加速構造①  7月31日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 16:00-16:20
グリッド付き熱カソードを用いた低エミッタンス電子銃システムの開発
Development of low-emittance gridded thermionic electron gun embedded in a single cavity with voltage-optimized electrodes
 
○安積 隆夫,稲垣 隆宏(理化学研究所 放射光科学研究センター),谷内 努(高輝度光科学研究センター),西森 信行(量子科学技術研究開発機構),馬込 保(高輝度光科学研究センター),田中 均(理化学研究所 放射光科学研究センター)
○Takao Asaka, Takahiro Inagaki (RIKEN SPring-8 Center), Tsutomu Taniuchi (JASRI), Nobuyuki Nishimori (QST), Tamotsu Magome (JASRI), Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
次世代放射光施設のための入射器では、高安定でかつ再現性に優れた高品質ビーム(2 nmrad/0.3 nC)が要求される。また、長期間の加速器運転に対して、各構成機器には高い耐久性と信頼性が求められる。これを踏まえ、3GeV線形加速器の電子生成部では、グリッド付き熱カソードを備えた50kV電子銃と高周波空胴を組み合わせた、RF熱電子銃システムを新たに考案し、その実証試験を進めている。グリッド付き熱カソードにおいて、しばしば指摘されるグリッド近傍のエミッタンス悪化を回避するため、シミュレーションによる各電極形状・配置の最適化だけでなく、グリッド電圧・アノード電圧によるエミッタンスへの依存性を見出し、最適条件を得た。電子銃後の空間電荷効果によるエミッタンス増大は、アノード電極の直後にRF加速空胴を配置して500keVまで加速することで抑えられる。本論では、ビームシミュレーション結果を示すとともに、実証試験のために製作した各機器の諸特性、ならびにビーム試験結果についても報告する。