THPI043  ハドロン加速器  8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
J-PARC MR遅い取り出しにおけるスピル構造の改善にむけたシミュレーションスタディ
Simulation study for the improvements of spill structure of the slow extraction at J-PARC MR
 
○武藤 亮太郎,新垣 良次,木村 琢郎,小松 雄哉(高エ研),松村 秋彦(日本アドバンストテクノロジー),村杉 茂,岡村 勝也,白壁 義久,冨澤 正人,柳岡 栄一(高エ研)
○Ryotaro Muto, Yoshitsugu Arakaki, Takuro Kimura, Yusuke Komatsu (KEK), Akihiko Matsumura (NAT), Shigeru Murasugi, Katsuya Okamura, Yoshihisa Shirakabe, Masahito Tomizawa, Eiichi Yanaoka (KEK)
 
J-PARC主リングでは、30GeV陽子の遅い取り出しビームをハドロン実験施設での素粒子原子核物理実験に供給している。2次粒子生成標的で生成された大量のK中間子を物理実験での高統計データ収集のために有効に活用するためには、取り出しビームの時間構造(スピル構造)が少ないことが重要である。J-PARC主リングの遅い取り出しでは、主に主電磁石電源の電流リップルに起因するチューン変動が取り出しビームの大きな時間構造を作り、これに対してスピル信号を用いたチューンのフィードバック制御、およびStripline Kickerを用いて横方向RFを周回ビームに加えることでスピル構造の平坦化を行っているが、スピル構造の平坦性を示すスピルduty factorは2019年4月の利用運転時で約50%にとどまっている。そこで、スピルフィードバック制御と横方向RF、また主電磁石電源の電流リップルの効果を取り入れた取り出しシミュレーションを作成し、スピル構造をさらに改善するためのフィードバック制御や横方向RFのパラメータについての検討を行った。本発表ではこの結果について報告する。