THPI040  ハドロン加速器  8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
J-PARC MR取り出し時の大強度ビームプロファイルのシミュレーションによる検討
Simulation study on the beam profile of the high power beam at the extraction of J-PARC MR
 
○五十嵐 進,石井 恒次,大見 和史,佐藤 洋一,白形 政司(高エネルギー研)
○Susumu Igarashi, Koji Ishii, Kazuhito Ohmi, Yoichi Sato, Masashi Shirakata (KEK)
 
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の主リング(MR)のビーム強度増強について、シミュレーションによる検討を行った。MRはニュートリノ実験のために最大 500 kWのビームパワーで30 GeVの陽子を供給している。繰り返し周期は 2.48 s で、取り出し時の陽子数は 2.6E14 protons per pulse (ppp) としている。大強度ビームを取り出す際に、取り出しビームのためのアパーチャーが充分ではない四極電磁石(QDT155)に、ビームハローが当たり、現在のビーム強度でもビームロスが観測されている。将来、ビームパワーを 1.3 MW とすることを検討しており、繰り返し周期は 1.16 s とし、取り出し時の陽子数は 3.3E14 ppp として、目標を達成することを考えている。現状と将来のビーム強度での取り出し時のビームプロファイルをシミュレーションで求め、QDT155でのビームロスを評価した。大強度でのMR入射時のビームプロファイルとして、入射路での測定結果を用い、空間電荷効果を考慮した粒子トラッキングプログラムSCTRを用いて30 GeVまでの加速についてのシミュレーションを行った。ロス低減のために大口径QDTを製作しており、その効果を評価した。