THPI033  粒子源  8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
MeV領域のテーブルトップ陽子源の開発
Development of tabletop proton source in MeV region
 
○依田 哲彦,福田 光宏,神田 浩樹,嶋 達志,高久 圭二,武田 佳次郎,原 隆文,大本 恭平(阪大RCNP)
○Tetsuhiko Yorita, Mitsuhiro Fukuda, Hiroki Kanda, Tatsushi Shima, Keiji Takahisa, Keijiro Takeda, Takafumi Hara, Kyohei Ohmoto (RCNP, Osaka Univ.)
 
十数MeVの陽子ビームは、粒子線測定器の校正やPET薬剤などで利用される短寿命RI生成などに利用される。陽子ビームは通常サイクロトロンなどの加速器で生成されるが、その導入コストは非常に高いものである。 そこで、陽子ビームを生成する新たな手段として核融合反応である3He+D→p+4Heを利用することを考えた。この核融合反応の結果放出される14.67MeVの陽子を利用するとRI生産能力などはサイクロトロンに及ばずとも、導入コストの低減と装置の小型化により研究室レベルで気軽に使用できる陽子源の実現が期待される。この核融合反応自体は古くから知られているもので、恐らくは過去にもこの反応を使ったビーム生成装置の検討がなされたであろうが、反応率の低さが足枷であったであろうことは想像に難くない。 今回、PET関連の研究に耐えうる量のRI製造を3He+D→p+4He反応により実現できる装置の実現を今一度目指す。そのため、大強度3Heビームイオン源及び高耐熱の重水素標的、そして生成した陽子を大気側にある試料に照射させる窓構造などについて開発検討を行った。特に窓構造の検討を進めた結果、強度は弱いものの数MeVの陽子を大気中に取り出すことに成功した。