THPI030  ビーム診断・ビーム制御  8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
TIARA AVF サイクロトロンのペッパーポット型エミッタンス測定装置の開発
Development of a pepper-pot emittance monitor system for the TIARA AVF cyclotron
 
○宮脇 信正,柏木 啓次,石岡 典子(量研 高崎)
○Nobumasa Miyawaki, Hirotsugu Kashiwagi, Noriko Ishioka (QST Takasaki)
 
量研高崎のTIARA AVFサイクロトロンでは、材料・バイオ研究等のために様々なイオン種を幅広いエネルギー範囲のビームを頻繁に切り替えて提供している。このビーム切り替えに伴うサイクロトロンへのビーム入射調整を効率的に行うため、入射ビームのエミッタンスとサイクロトロンのアクセプタンスの計測に基づいた入射調整方法を開発している。入射ビームのエミッタンス形状制御のためには、これまでは既存のエミッタンス測定装置より上流の電磁石パラメータから、測定したエミッタンスを逆方向に輸送計算して求めた上流のエミッタンスを基に集束要素の再調整を行っていた。しかし、上流でビームロスがある場合や空間電荷効果が無視できない大強度軽イオンビームの場合は、上流のエミッタンスを正確に算出することが困難であった。そこで、イオン源近傍でエミッタンスを得ることによって、より正確なエミッタンス形状制御を行えるようにするため、イオン源の分析電磁石直後にペッパーポット型エミッタンスモニターを開発した。本装置は、イオン源で発生する広範なイオン種やエネルギーのビームのエミッタンス測定に対応するため、固定したペッパーポットマスクから検出器であるマルチチャンネルプレート(MCP)の間の距離を任意に変化することができるとともに、ミラーを介してMCPを観察するカメラとの距離も調整できる機構を採用した。発表では装置の詳細及び測定試験について報告する。