THPI007  加速構造  8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
シンクロトロン周波数測定による超伝導空洞電圧較正
Calibration of superconducting cavity voltage by measuring synchrotron frequency
 
○西脇 みちる,赤井 和憲,小林 鉄也,古屋 貴章,光延 信二,森田 欣之(高エネ研)
○Michiru Nishiwaki, Kazunori Akai, Tetsuya Kobayashi, Takaaki Furuya, Shinji Mitsunobu, Yoshiyuki Morita (KEK)
 
SuperKEKB加速器の電子リングでは、KEKB加速用に開発された超伝導加速空洞8台を運転している。最大空洞電圧は8台全てでそれぞれ2.0 MV/cavityに達しており、SuperKEKB加速器で求められる定格空洞電圧である1.5 MV/cavityを満たしている。超伝導空洞の運転においては、縦測定(空洞セルのみの試験)で得られた空洞内のピックアップポートのexternal Q値を用いて空洞電圧を算出している。しかし、運転用の横クライオスタットに組み込まれた状態の負荷Q値と入力パワーから算出した空洞電圧との不一致が無視できない空洞もある。そこで、ビームのシンクロトロン周波数測定による個々の空洞電圧の較正を実施した。空洞電圧較正の精度を上げるためには、シンクロトロン周波数を精度よく測定する必要がある。そこで、較正対象以外の空洞はできるだけ運転を止め、ビーム蓄積を維持できる最低の加速電圧とした。また較正対象の空洞は、ビームに対する位相を加速位相および180度反転させて、全加速電圧に対する自身の空洞電圧の寄与を2倍に増幅し、シンクロトロン周波数の変化量を測定した。この方法により、個々の空洞電圧の較正値を得ることができた。本稿では、空洞電圧較正についての詳細と超伝導空洞の運転状況についても併せて報告する。