THPI006  加速構造  8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
KEKにおける超伝導空洞のための温度・磁場マッピング装置の開発
Development of a temperature and magnetic field mapping apparatus for superconducting cavities at KEK
 
○岡田 貴文(総研大),加古 永治,許斐 太郎,増澤 美佳,阪井 寛志,土屋 清澄,植木 竜一,梅森 健成(高エネ研),Tajima Tsuyoshi,Poudel Anju(LANL)
○Takafumi Okada (SOKENDAI), Eiji Kako, Taro Konomi, Mika Masuzawa, Hiroshi Sakai, Kiyosumi Tsuchiya, Ryuichi Ueki, Kensei Umemori (KEK), Tsuyoshi Tajima, Anju Poudel (LANL)
 
現在,縦測定時の超伝導空洞の発熱時の温度分布及び測定中の磁場分布を測定するためのマッピング装置の開発を行っている。超伝導空洞における表面抵抗は,残留抵抗と温度に依存する抵抗に分解でき,このうち,残留抵抗は相転移の際に内部にトラップされた磁場の大きさに依存する。また,空洞内面に欠陥などは,クエンチを引き起こす原因となる。したがって,空洞の性能評価のためには,空洞の外部表面の温度と磁場の詳細な分布測定が必要となる。これまでの磁場測定では,高価なフラックスゲートセンサーを用いてきた。今回,安価なAMRセンサーを用いることで,同時多点測定を実現し,空洞の外面全体の磁場分布を測定できるよう装置開発を行っている。 超伝導楕円空洞は,その形状から,相転移後にもっとも磁場が強められる領域は赤道部である。そのため,開発中のマッピング装置は,1軸AMRセンサーを赤道部の36箇所に3つずつ備え,3軸かつ周方向に対して10度ごとの測定可能なシステムとした。さらに,カーボン抵抗温度計を540個使用し,空洞のセル表面全体の温度を測定可能とした温度マッピングシステムを構築した。この発表では,この温度・磁場マッピングシステムの開発状況を説明する。