THPH031  電磁石と電源  8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
SiC半導体を用いた電子銃用50kVパルス電源の開発
Development of 50 kV pulse generator using high voltage SiC-MOSFET for electron gun
 
○近藤 力,安積 隆夫(理研放射光科学研究センター/高輝度光科学研究センター),稲垣 隆宏,大竹 雄次(理研放射光科学研究センター),徳地 明,森 均(パルスパワー技術研究所),坂本 邦博(産業技術総合研究所)
○Chikara Kondo, Takao Asaka (RIKEN SPring-8 Center/JASRI), Takahiro Inagaki, Yuji Otak (RIKEN SPring-8 Center), Akira Tokuchi, Hitoshi Mori (PPJ), Kunihiro Sakamoto (AIST)
 
線型加速器で使用するクライストロンや電子銃は、駆動するにあたり高電圧パルス電源が必要である。従来のパルス電源では、高電圧パルスの発生に、サイラトロンなどの放電管スイッチが用いられてきたが、自己導通や短寿命、導通損失の不安定性などが問題であった。サイラトロンを半導体スイッチに置き換えるためには、高速かつ高電圧で大電流をスイッチングできる素子が必要であった。今回、我々は、高輝度電子銃用のパルス電源として、産総研にて開発された耐電圧13kVのSilicon Carbide (SiC) MOSFETを用いた、50kVのパルス電源を開発した。この電源は、Marx回路方式のパルス電源であり、コンデンサに充電された8.7kVのDC電圧を、6段のスイッチング回路で重畳することで、50kVの高電圧パルスを発生させる。また、パルス幅は1μs、立ち上がり時間は100ns以下、パルス繰り返しは30Hzである。本発表では、高電圧スイッチ素子としてのSiC-MOSFETの特性、パルス電源の設計と製作、および模擬負荷による高電圧パルス出力試験結果について発表し、更なる高電圧化、高繰り返し化についても議論する。