THPH023  加速器土木  8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
逐次三点測量に基づくKEKB入射器の直線性解析とアライメント評価
Straightness analysis and alignment evaluation of the KEKB Injector Linac based on successive three-point surveying
 
○諏訪田 剛,柿原 和久(KEK加速器)
○Tsuyoshi Suwada, Kazuhisa Kakihara (KEK-Acc.)
 
KEKB入射器では、長距離直線部に対しレーザーアライメント(LA)を、短距離又は曲線部に対しレーザートラッカー(LT)によるアライメント計測を基本とする. 前者はビーム軸に垂直な面内で加速ユニットの変位を計測し、後者は加速ユニットを基準として加速管など構成要素の三次元変位を計測する.入射器全体の直線性は、これら二種類の異なる方法で評価される. LA計測では構成要素の変位がわからない、他方LT計測を長距離計測に適用するのは困難であるということから、各データは別々に解析され、データ間の整合性を議論することはなかった. 地面振動により動的に床面が変位するので、加速ユニットや構成要素が許容範囲外に変位すると局所的なアライメント作業を行う必要性が生じるが、作業自体は局所的にならざるを得ない. このような場合、直線基準からの変位が大きいとむしろ滑らかな局所的曲線に沿った修正の方が望ましい. しかし、入射器では直線基準のみを有するのでこのような修正は困難である. 筆者らは、入射器の長直線部に対し逐次三点測量を実施し、LTデータを逐次接続することで入射器全体の直線性を評価することにした. この測量により構成要素を含む加速ユニット間の相対変位を評価できる. 2018年夏保守期間に長直線部のLT測量を実施し直線性の解析を行った. 本学会では、逐次三点測量に基づく直線性解析の手法と測量結果について報告する.