THPH017  加速器応用・産業利用  8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
粒子線治療のためのSpiral beam scanning照射法の開発
Development of spiral beam scanning irradiation for particle therapy
 
○原 周平,福田 光宏(阪大RCNP),高階 正彰(大阪重粒子線センター),神田 浩樹,依田 哲彦(阪大RCNP),小泉 雅彦(阪大医学系研究科保健学専攻)
○Shuhei Hara, Mitsuhiro Fukuda (RCNP Osaka University), Masaaki Takashina (Oaska HIMAK ), Hiroki Kanda, Tetsuhiko Yorita (RCNP Osaka University), Masahiko Koizumi (Osaka University Graduate School of Medicine , Division of Health Sciences)
 
大阪大学核物理研究センターでは、粒子線治療における照射野辺縁部の照射精度の向上を目的とした「Spiral Beam Scanning」システムを開発している。この照射法は、照射野の輪郭の形状に沿って渦型の軌道でビームを走査していく照射システムであり、粒子線治療の適用が難しい重要臓器に近接した腫瘍への照射に対して、従来の照射法と比較して周囲の正常組織への照射を減らすことができると期待される。我々は、 Spiral Beam Scanning によって、1. 従来の照射方法と同程度の精度で線量分布をターゲットに対して形成することができることを実証し、さらに2. ターゲットの周囲への線量をシユレーションで比較し、定量的に優位性を示すことを目指してる。本発表では、これまでに開発してきたこの照射法の制御システムと、均一な線量分布形成のための照射時間の最適化計算、及びその実証試験の結果を報告し、さらに、従来の照射方法とターゲット外へのはみ出し線量の比較のシミュレーションの進捗状況を報告する。