THPH016  加速器応用・産業利用  8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
負ミュオンを用いたiBNCT中性子生成標的のベリリウム厚測定手法の検討
Study for a beryllium-thickness measurement method of the iBNCT neutron-generation target using negative muons
 
○佐藤 将春,栗原 俊一,小林 仁,杉村 高志,内藤 富士雄(高エネ研),熊田 博明,田中 進,名倉 信明(筑波大),大場 俊幸(日本アドバンストテクノロジー)
○Masaharu Sato, Toshikazu Kurihara, Hitoshi Kobayashi, Takashi Sugimura, Fujio Naito (KEK), Hiroaki Kumada, Susumu Tanaka, Nobuaki Nagura (Univ. of Tsukuba), Toshiyuki Ohba (NAT)
 
KEK及び筑波大学を中心としたiBNCT(いばらきBNCT)計画ではRFQおよびDTLからなる加速管構成により陽子を8 MeVまで加速しベリリウムに照射しBe(p,n)反応によって生じた中性子をホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に利用する。ベリリウム標的内において運動エネルギーがおよそ2 MeV以下にまで減速された陽子は中性子生成に寄与せず、かつ静止した際にブリスタリングによりベリリウム標的に損傷を与えてしまうので、ベリリウム厚さはエネルギー8 MeVの陽子の飛程よりわずかに小さい厚さに設計されている。ベリリウムの後にはブリスタリングに強いパラジウム層があり、その間の接合は熱間等方圧加工法(HIP)により行われているが、接合後のベリリウム部分の厚さが設計値通りに仕上がっているかは確認されていない。ベリリウム厚が設計値から減っている可能性があるならば生成される中性子量も同様に期待している値から減少している為、ベリリウム部分の厚さの確認は極めて重要である。一方、iBNCTにおける標的は製作するのに多大な費用がかかるため破断して厚さを確認する事は現実的ではない。その為、本講演では負ミュオンを用いてベリリウム厚さを非破壊的に検証する手法に関しての検討結果を報告する。