THPH014  真空  8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
SuperKEKB加速器真空システムの現状 -Phase-3 2019春の運転-
Status of the SuperKEKB vacuum system - Phase-3 2019 Spring run -
 
○末次 祐介,柴田 恭,石橋 拓弥(KEK/総研大),白井 満,照井 真司,金澤 健一,久松 広美(KEK),姚 慕蠡(総研大)
○Yusuke Suetsugu, Kyo Shibata, Takuya Ishibashi (KEK/SOKENDAI), Mitsuru Shirai, Shinji Terui, Ken-ichi Kanazawa, Hiromi Hisamatsu (KEK), Mu-lee Yao (SOKENDAI)
 
SuperKEKBは、KEKの電子・陽電子衝突型加速器で、その周長約3 kmの主リング(MR)は7 GeV電子用のHigh Energy Ring (HER)と4 GeV陽電子用のLow Energy Ring (LER)から構成される。陽電子入射路の途中にある1.1 GeVのダンピングリング(DR)もPhase-2運転から稼働している。Phase-2運転終了後、Belle-IIの崩壊点検出器の設置等を行い、2019年3月からPhase-3運転を始め、本格的な衝突実験を開始した。MRの真空システムでは、Phase-3前にビームコリメータの増設や、入射部ビームパイプの更新、Phase-2までに見つかった機器の発熱等の問題への対処を行った。MR、DRの真空システムはPhase-3でもほぼ順調に稼働し、その圧力も順調に下がっている。5月初旬の段階でMRのPhase-3での積算ビーム電流および最大蓄積電流は、LER、HERでそれぞれ約140 Ah、 170 Ahおよび550 mA、540 mA(1576バンチ)である。Phase-3運転中は、新規設置機器の特性を検証すると同時に、LERの電子雲効果、圧力バースト問題等の観察を引き続き行う予定である。ここでは、Phase-3運転時のSuperKEKB真空システムの状況、および今後に向けた課題等を報告する。