THOI04  レーザー/LLRF  8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホール 10:30-10:50
SACLAからSPring-8蓄積リングへのビーム入射のためのタイミング同期システムの現状
Present Status of Timing Synchronization System for Beam Injection from SACLA to SPring-8 Storage Ring
 
○大島 隆,細田 直康,前坂 比呂和(理研),森本 理,田尻 泰之(スプリングエイトサービス),岩井 瑛人(理研),岡田 謙介(高輝度光科学研究センター)
○Takashi Ohshima, Naoyasu Hosoda, Hirokazu Maesaka (RIKEN), Osamu Morimoto, Yasuyuki Tajiri (spring8 service), Eito Iwai (RIKEN), Kensuke Okada (JASRI)
 
SPring-8の次期計画SPring-8-IIでは入射ビームに低エミッタンスが要求されるため、XFELマシンであるSACLAの線形加速器を蓄積リング(SR)への入射器とする予定である。この計画の準備段階として、SACLAを現SRへの入射器として2020年から運用することを目指している。我々はMTCA.4規格のデジタイザを使ってタイミング同期システムを構築した。そこではSACLAのマスタトリガタイミングの調整およびSACLAのマスタオシレータへのFM変調を行う。このシステムを実機に導入し、SACLAのビーム出射とSRのバケットとの間のタイミングジッタを4 ps rms以下に抑えることができた。現SRではユーザーの要望に応じてさまざまなフィリングパターンが使われている。この要求に応えるために、デジタイザに実装されているFPGA上にはタイミング同期機能だけでなく、ショットごとにバケットアドレスを変更する機能を持たせている。SACLAからSRへの入射ではSRにビームがない状態から100mAまで10Hzの繰り返しで入射を行う積み上げモードと、数分に1回の入射を行うトップアップモードがある。これらのモードに対応するソフトウエアをMTCA.4規格のCPUモジュールに実装する作業を進めている。本発表では上記タイミング同期システムの現状と今後の展望について報告する。