THOH14  ハドロン加速器①  8月1日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 17:20-17:40
ミュオン加速用サイクロトロンの軌道計算
Orbit calculation for muon cyclotron
 
○大西 純一,後藤 彰(理研仁科センター),山崎 高幸,安達 利一,永谷 幸則,三宅 康博(KEK),筒井 裕士,楠岡 新也,熊田 幸生,恩田 昂(住重)
○Jun-ichi Ohnishi, Akira Goto (RIKEN Nishina Center), Takayuki Yamazaki, Toshikazu Adachi, Yukinori Nagatani, Yasuhiro Miyake (KEK), Hiroshi Tsutsui, Shinya Kusuoka, Yukio Kumata, Takashi Onda (SHI)
 
J-PARC MLFで生成に成功した極小エネルギー分散の超低速ミュオンをサイクロトロンで5MeVまで再加速しミュオンの回析実験と透過型ミュオン顕微鏡イメージングを行うことを計画している。加速ビームのエネルギー分散dE/Eは1e-5に近づけることを目指す。しかしAVFサイクロトロンでは十分にバンチされた1pimmmrad程度の低エミッタンスの入射ビーム(30keV)であってもインフレクターと最初のターンにおいて108MHz, h=2で加速する場合、バンチの位相(縦)方向の広がりは10°程度となる。このためエネルギー分散を小さくするためには基本周波数の加速空洞だけではなく3倍または5倍周波数のハーモニック空洞を用いる必要がある。ミュオンサイクロトロン(取り出し半径262 mm)では1f (108MHz)および3f (324MHz)の空洞を使用する。電場分布はCST MWSを使用して計算した。等時性磁場は1e-4程度とするためopera-3dを用いて磁極形状(4セクター)の最適化を行った。この電場と磁場を用いてRunge-kutta法によりインフレクターの上流から周回加速、静電デフレクター、磁気チャンネルによる取り出しまでトラッキング計算を行い、加速ビームのエネルギー分散とエミッタンスを計算した。取り出し効率を向上させ、取り出し領域におけるエミッタンス増加を最小化するため、磁極にシムを付けて1次のハーモニック磁場を導入した。現状エネルギー分散は1e-4以下となっているがさらに改良する検討を行っている。