THOH02  電磁石と電源①  8月1日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 9:50-10:10
パワー半導体を用いたキッカー用パルス電源とイグナイトロン代替スイッチの開発
Development of pulse power supply for kicker using power semiconductor and alternative switch for ignitron
 
○高柳 智弘(J-PARC/JAEA)
○Tomohiro Takayanagi (J-PARC/JAEA)
 
大電力高速動作スイッチとして使用される放電型のサイラトロンやイグナイトロンにおいて、より安定した動作を可能とする代替用半導体スイッチの開発を進めている。キッカー電源で使用されるサイラトロンにおいては、SiC-MOSFETを用いたLTD回路にてスイッチを構築し、更に、PFN回路に代わるコンデンサーをそのLTD回路に搭載することで、スイッチと電源の機能を兼ね備えたパルス電源として、800 V / 2 kA出力の放射対称型モジュール基板を開発した。また、高電圧出力用に積み重ねたモジュール基板間の電力伝送構造を同軸リング型とすることで、更なる低インダクタンス化を実現した。J-PARC RCSキッカーシステムに必要な立ち上がり250 ns以下、フラットトップ1.0 us以上を、20 kV / 2 kA(最終仕様は40 kV / 2 kA)のパルス出力で評価した結果を、同軸リング型伝送回路の効果と合わせて報告する。イグナイトロンは、大電力クライストロンのクローバースイッチとして使用されているが、世界的に使用が制限される水銀を用いている為、代替用半導体スイッチの開発が急務である。J-PARC LINACのクライストロン用クローバースイッチにおいては、120 kV / 40 kAを50 usでの動作出力が必要である。MOSゲートサイリスタを用いて3 kV / 40 kAのオーバル型モジュール基板を試作した。予備試験結果について報告する。