SAOHK03  企画セッション  8月3日 百周年時計台記念館 百周年記念ホール 11:10-11:30
陽子線加速器を用いた小型中性子源 ~理研小型中性子源RANSの立ち上げ時の経験から~
Compact accelerator-driven neutron source - experience learned from RANS construction-
 
○山形 豊(理化学研究所)
○Yutaka Yamagata (RIKEN)
 
理研小型中性子源RANSは、2013年より中性子ビーム出力を開始しており、中性子ラジオグラフィー、大型構造物の非破壊検査、即発γ線分析、中性子回折散乱実験、中性子検出器や中性子光学素子などの開発も含めた様々な用途に利用されている。RANSは、7MeVの陽子線線形加速器を採用しているが、立ち上げにあたっては、様々な中性子発生手法や加速器形式の検討が行われた。加速器の選定にあたっては、パルス中性子源としての性能に大きく影響を与えるビームのピーク電流と平均電流、パルス幅、繰り返し周波数等を検討した。また、陽子線を使う際のBeターゲットのブリスタリングの課題を解決するために、水素拡散性基材を用いたターゲットを新たに開発した。こうした経験から、小型中性子源、特に陽子線を用いた小型中性子源に求められる加速器の性能要件や運用時の特性などについて述べる。