FSPI002  施設現状報告ポスター2  7月31日・8月1日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 13:30-15:30
先端加速器施設(ATF)の現状
Status report of the accelerator test facility
 
○照沼 信浩,久保 浄,黒田 茂,奥木 敏行,内藤 孝,福田 将史,荒木 栄,森川 祐,アリュシェフ アレキサンダー(KEK),阿部 優樹(総研大)
○Nobuhiro Terunuma, Kiyoshi Kubo, Shigeru Kuroda, Toshiyuki Okugi, Takashi Naito, Masafumi Fukuda, Sakae Araki, Yu Morikawa, Alexander Aryshev (KEK), Yu-ki Abe (SOKENDAI)
 
KEKの先端加速器試験施設(ATF)は、国際リニアコライダー(ILC)において必要とされるビーム計測・制御技術、特に衝突ビームに必要なナノメートルビーム技術の開発を進めている。ここでは国際コラボレーション体制の下で、ビーム最終収束システムの試験ビームライン(ATF2)を拠点として、ILCでの衝突ビームサイズ7nm(垂直方向)に対応する37nmの極小ビームの実現、電子・陽電子ビーム衝突を安定にするためのナノメートルレベルでのビーム位置制御技術について開発が行われている。  現在までに、ビーム収束点(仮想衝突点)において41 nmの達成を確認しているが、ビームサイズに対する強い電流依存性があり、バンチ電荷を下げる必要があった。ATFのビームエネルギーはILCの約1/100となる1.3 GeVであり、Wakefieldの影響が強くなることが原因である。ATF2ビームラインは、数10nmの位置分解能を有する空洞型BPM、ナノメートル極小ビームを測定するレーザー干渉縞型ビームサイズモニターがあり、極小ビームに対するWakefieldの研究を進めるのに適した施設と言える。そのため、CERNを中心とする欧州のメンバーの関心も非常に高く、最近の共同研究はWakefieldに関するものが主となっている。これらATFにおけるナノメートルビーム技術開発の現状を報告する。