FSPH012  施設現状報告ポスター1  7月31日・8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
京大複合研電子線型加速器施設(KURNS-LINAC)の現状
Status of KURNS-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,窪田 卓見,堀 順一,高見 清(京大複合研)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Takumi Kubota, Jun-ichi Hori, Kiyoshi Takami (KURNS)
 
京大複合研電子線型加速器施設(KURNS-LINAC)の2018年度の利用運転時間は2,562時間となり、引き続き長時間の利用がなされている。利用ビーム別では、電子線のみで全利用時間の5割弱の1,200時間を超える利用がなされた。以下、中性子線、X線、放射光と続く。 前回の報告からの主なトラブルは、インジェクタ通信モジュールの故障とNo.2モデュレータディスチャージ用真空スイッチの故障による運転停止である。インジェクタ通信モジュールの故障については、導入後10数年が経過したモジュールにおいて、通信エラーを伴う故障が相次いで発生した。対応としては故障の都度、当該モジュールの交換を実施した上で、今後導入している他のモジュールでも故障が発生することが予期されることから、故障前に予備モジュールの用意をすることで、運転停止期間の短縮を図る。No.2モデュレータディスチャージ用真空スイッチの故障において、当該真空スイッチは導入時の1971年頃から使用していた。長期の使用により、ガラス部にはひびが入っており、真空が保たれていない状態であったため、真空スイッチとしての動作ができなくなっていたことが原因である。対応としては予備のガラス部との交換を行い、今後の対策としては同じタイプの真空スイッチは現在入手できないため、利便性も考慮して大気中でも使用可能な高圧スイッチを用意することで、故障時に即時に対応できるようにした。