FSPH011  施設現状報告ポスター1  7月31日・8月1日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 13:30-15:30
阪大産研量子ビーム科学研究施設の現状報告
Status report of Research Laboratory for Quantum Beam Science, ISIR, Osaka University
 
○古川 和弥,誉田 義英,磯山 悟朗,岡田 宥平,徳地 明,楊 金峰,近藤 孝文,菅 晃一,神戸 正雄,吉田 陽一(大阪大学 産業科学研究所)
○Kazuya Furukawa, Yoshihide Honda, Goro Isoyama, Yuhei Okada, Akira Tokuchi, Jinfeng Yang, Takafumi Kondoh, Koichi Kan, Masao Gohdo, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka University)
 
阪大産研量子ビーム科学研究施設はLバンド40 MeV電子ライナック、フォトカソードRF電子銃ライナック、Sバンド150 MeV電子ライナック、コバルト60γ線照射装置を持つ放射線共同利用施設である。Lバンドライナックはナノ秒とサブピコ秒領域のパルスラジオリシスを用いた放射線化学の研究や、FELによる大強度テラヘルツ波の発生と利用に用いられる。昨年度は暗電流トラブルに伴う電子銃カソードの交換や、電子銃高圧電源の更新、高額な消耗品である冷凍機の寿命延長と電気代・騒音の低減のための精密系冷却装置の冷凍機のバイパス改造等を行った。また複数照射室の同時利用に向け、キッカー電源によるビーム振り分け試験を行った。RF電子銃ライナックはフェムト秒・アト秒パルスラジオリシスの研究、超短パルス電子ビーム発生とフェムト秒電子線パルスによるTHz光の発生研究等に用いられる。またRF電子銃を用いた時間分解MeV電子顕微鏡は阪大超高圧電子顕微鏡センターからレンズ系を移設し、試験運転を行った。クライストロンとモジュレータの1組を撤去した150 MeVのSバンドライナックはエネルギースペクトル、ビームローディングの調整・測定を行い、ほぼ従来通りの条件で運転可能なことを確認した。さらに陽電子発生部のモデレータの製作等の機器整備を進め、低速陽電子ビーム生成実験を近日中に開始予定である。本発表では当施設の保守管理・開発の状況に関して報告する。