FRPI043  粒子源  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
小型ECRイオン源における多価イオン生成試験
Production of highly charged ion at Kei3 source
 
○村松 正幸(量研機構 放医研),加藤 裕史(大阪大学),髙橋 勝之,鈴木 太久,大内 章央(加速器エンジニアリング),北川 敦志(量研機構 放医研)
○Masayuki Muramatsu (NIRS-QST), Yushi Kato (Osaka Univ.), Katsuyuki Takahashi, Taku Suzuki, Fumihisa Ouchi (AEC), Atsushi Kitagawa (NIRS-QST)
 
放射線医学総合研究所(放医研)では、炭素線を用いたがん治療を行っている。現在、放医研では数種類のイオンを標的に照射することで理想的なLETおよび線量分布を形成するマルチイオン照射法を推進している。想定されるイオン種はHe、C、O、Neの4種類で、複数のイオン源を専有すれば比較的容易に切り替えが可能となるが、普及型の治療施設では、コストと運転・メンテナンスの観点から、永久磁石型のECRイオン源1台で対応することが望まれる。これらの要求を達成するために、我々は様々なイオンの供給を行えるECRイオン源の開発を行なっている。試験用に開発された永久磁石型ECRイオン源のKei3は、既存の炭素線がん治療装置用の小型ECRイオン源(Keiシリーズ)と同様の閉じ込め磁場を採用しているため、C4+に近いイオンを生成することが可能となる。しかし、Neやそれより重く多価のイオンの生成はいまだ困難である。Kei3ではこれまでに、バイアスディスク法、ガスミキシング法、マイクロ波2重加熱などを用いて、多種イオンの生成試験を行ってきた。これらの手法を組み合わせ、調整パラメーターの少ない永久磁石型ECRイオン源において、多価イオンの生成に適した状態を探る。