FRPI042  粒子源  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
RIビームがん治療の実現を目指した1価C-11イオン生成実験の状況
Production of singly-charged C-11 ions for heavy-ion cancer therapy
 
○片桐 健,涌井 崇志,北條 悟,野田 章,白井 敏之(QST/NIRS)
○Ken Katagiri, Takashi Wakui, Satoru Hojo, Akira Noda, Toshiyuki Shirai (QST/NIRS)
 
 重粒子線治療において,PET装置で線量分布をリアルタイムに検証する技術を実現するために,Isotope Separation On-Line (ISOL)法により,C-11ビームをHIMACシンクロトロンから供給することを検討している。このISOLシステムは,プロトン照射用小型サイクロトロン,C-11生成用標的,C-11分子生成/分離システム(CMPS),一価イオン源(SCIS),質量分析器(MS),荷電増幅器(CB)から構成される。1人の治療に必要な1e+10個以上のC-11多価イオンを20分毎に生成することを目標として,これまでISOLシステムの各要素機器の開発を進めてきた。標的は,20分間のプロトン照射(18 MeV,18 uA)により,およそ1e+13個の揮発性C-11分子の生成が可能であることが判明し,また非放射性の12CO2ガスを使用した実験によりCMPSは60—80%の効率,SCISはCO2+のイオン生成効率として5.5%の効率を達成できることが判明した。これらの結果を踏まえて,MS及びCBを除くISOLシステムの性能評価を行うために,プロトンビーム照射によりオンラインで1価C-11イオンの生成・定量化を行う実験を進めている。本発表では,このオンライン実験の進捗の状況とこれまでの実験結果を示す。