FRPI034  ビーム診断・ビーム制御  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
理研AVFサイクロトロン入射系のビーム軌道計算方法の評価と4次元エミッタンス測定器の改良
Evaluation of beam orbit calculation method and improvement of 4 dimensional emittance monitor for the injection line of RIKEN AVF cyclotron
 
○小高 康照,酒見 泰寛,大城 幸光,山口 英斉,今井 伸明,下浦 享(東京大学理学系研究科附属原子核科学研究センター),長友 傑,加瀬 昌之,後藤 彰,大西 純一,中川 孝秀(理研仁科加速器科学研究センター),畑中 吉治(大阪大学核物理研究センター)
○Yasuteru Kotaka, Yasuhiro Sakemi, Yukimitsu Ohshiro, Hidetoshi Yamaguchi, Nobuaki Imai, Susumu Shimoura (CNS, University of Tokyo), Takashi Nagatomo, Masayuki Kase, Akira Goto, Jyun-ichi Ohnishi, Takahide Nakagawa (RIKEN Nishina center), Kichiji Hatanaka (RCNP, Osaka University)
 
理研AVFサイクロトロンのイオン源からの入射ビーム軌道の理解のため、4次元エミッタンス測定値を初期値とし、空間電荷効果を考慮した独自のビーム軌道計算方法の開発は終了した。イオン源のビームは正規分布ではなく、また入射系にはソレノイドコイルと回転四極電磁石があるため、4次元エミッタンス測定値が不可欠である。4次元エミッタンスはペッパーポット型エミッタンス測定器(PEM)で測定している。我々のPEMの特徴は、ペッパーポットマスクを通り抜けたビームを斜め45度に傾けた臭化カリウム蛍光板で発光させ、ビームに垂直な方向に設置したデジタルカメラで撮影し、そのビーム画像を実空間に変換する点である。今回は我々のビーム軌道計算手法とPEMの性能評価のため、他の診断器の測定結果と比較し、その適合度をカイ2乗/自由度で数値化した。現状は、目測で適合と判断したサンプルの適合度を1とした相対評価であるが、適合度は6までばらついた。この適合度改善の可能性を求めて、まずデジタル画像から実空間の変換方法を改良し、従来の角度の系統誤差5.5mrad、偶然誤差(RMS)2.7mradを、系統誤差0mrad、偶然誤差(RMS)1.9mradに抑えた。また蛍光剤の厚さやデジタルカメラの露光時間・ゲインの最適化によっても適合度が改善することが分かってきた。今回はそれらの条件を変えて影響を調べた。これらの結果を報告する。