FRPI015  光源加速器  8月2日 国際科学イノベーション棟5階 ホワイエ 10:50-12:50
コンプトン散乱ガンマ線の自動エネルギー可変計測のためのニュースバル加速器運転自動化
Automatic operation of NewSUBARU ring for automatic energy variable measurement of Compton scattered gamma rays
 
○橋本 智,宮本 修治(兵庫県立大 高度研),皆川 康幸,鍛治本 和幸(高輝度センター)
○Satoshi Hashimoto, Shuji Miyamoto (LASTI, Univ. of Hyogo), Yasuyuki Minagawa, Kazuyuki Kajimoto (JASRI)
 
兵庫県立大ニュースバル放射光施設はレーザーコンプトン散乱による準単色・エネルギー可変・高指向性のガンマ線ビームラインBL01を有する。蓄積リング型のコンプトンガンマ線源では蓄積電子ビームエネルギーを変えることでガンマ線ビームのエネルギーを連続的に可変でき、ガンマ線エネルギー依存性を測定する際には大きな利点となる。ガンマ線利用に応じてニュースバルの電子ビームエネルギーを小刻みに変えながらビーム調整を行う必要があるが、従来この操作の一部は人による監視と手動操作が必要であった。そのため誤操作や調整不足により生じるビーム損失を低減し、光源の安定化を図ることは大きな課題であった。本研究では高性能PCを導入し、加速器の自動加減速運転とガンマ線の自動計測を実現する制御プログラムを開発した。本プログラムは既存の加速器制御システムと連携し、新たに多種多様な計測・制御系を連動させる。これにより、(1)最適な設定パラメータの自動生成や機器連携の最適化により電子ビームの損失を低減し、加減速運転の安定化・自動化・高速化、(2)計測開始ボタンを押すだけでガンマ線エネルギー依存性計測を完了できるガンマ線計測自動化が可能になった。本研究の結果、ガンマ線利用研究において課題であったエネルギー加減速の安定性の問題は解決し、光源性能の向上が実現できた。