FRPH036  電磁石と電源  8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50
高精度低雑音オフセットアンプの開発
Development of Low Noise and Low Drift Offset Amplifier.
 
○中澤 伸侯(スプリングエイトサービス株式会社),近藤 力(理研 放射光科学研究センター理研 放射光科学研究センター/高輝度光科学研究センター),稲垣 隆宏(理研 放射光科学研究センター),寺田 達矢(ツジ電子株式会社)
○Nakazawa Shingo (SPring-8 Service Co., Ltd.), Kondo Chikara (RIKEN SPring-8 Center/JASRI), Inagaki Takahiro (RIKEN SPring-8 Center), Terada Tatsuya (TSUJI ELECTRONICS CO.,LTD.)
 
SACLAでは、クライストロンモジュレータ電源やキッカー電磁石電源等、パル ス駆動の電源が用いられている。これらの電源にはXFELの強度安定化のため、数十ppm以下の高い出力安定度が求められる。その安定度を評価するには、数Vの電圧振幅のパルスの一部を、数10μVのレンジで測定する必要がある。しかし、一般的なオシロスコープやデジタルメーターでは、オフセット範囲やサンプリング速度に制限があり、このようなパルス波形の一部をppmオーダーの高精度で測定する事は困難である。従来、市販の差動増幅器を組み合わせて測定を行ってきたが、高精度の電圧オフセット機能と低雑音の増幅器を備えた物は存在せず、都度、測定器と増幅器の組み替え、調整を行う必要があり、多大な時間と技能を要していた。そこで各種パルス駆動電源の測定を、迅速かつ容易に行うことを目的とし、低雑音の差動増幅回路および、高精度の電圧オフセット機能を備えたオフセットアンプの開発を行った。今回開発したオフセットアンプは、電源部の低ノイズ化および、制御部に非同期ロジック回路を用いる等の対策を行い、入力換算ノイズレベル50μVp-p(0-10kHz)以下、高安定度の基準電圧源とDACの採用により、安定度5ppm/Kを達成している。本発表ではオフセットアンプの開発状況と性能評価に加え、これを実現するための電源回路技術および低雑音回路技術について議論する。