FRPH032  加速器土木  8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50
次世代加速器における機器据付前の収納部内測量の精度評価
A survey accuracy estimation inside a ring tunnel before components installation for a next-generation accelerator
 
○岡安 雄一,木村 洋昭,張 超(高輝度光科学研究センター),松井 佐久夫(理研)
○Yuichi Okayasu, Hiroaki Kimura, Chao Zhang (JASRI), Sakuo Matsui (RIKEN)
 
周長 350 m・収納部幅 5.5 m・16 セルで構成されるリング型の次世代加速器を想定し、据付・アライメントに関する精度評価を行っている。その中で今回は、収納部内機器据付前に行う測量の精度評価に関して報告する。まず、測量精度を計算する上で重要なパラメータである測量機器の計測誤差を再評価した。測量機器であるレーザートラッカーには、1 点を計測する際に、仰角・方位角・距離の 3 つの計測を行うので、それぞれに対して誤差がある。我々は昨夏に行った SPring-8 蓄積リングの計測データ (3700 測線、Leica AT-402) と、解析結果 (最確値を真値とした) の差を誤差として 3 つの計測を評価した。その結果、カタログ値より角度誤差は半分程度であること、距離誤差はカタログ値より倍以上悪い事がわかった。次に、その計測誤差を考慮し、壁や床に設置する参照用測量点や器械点の数・配置をパラメータにして誤差楕円を計算した。1 セル中に壁点 4 点・床点 2 点・器械点 2 点での計算では、垂直・ビーム直交水平共に50 µm (σ) 程度の計測精度が得られたが、さらに現実的な作業量の中でより高い精度で測れる条件を策定する。最終的に得られた結果は、収納部内機器据付時の初期アライメント計測精度となり、加速器設計チームが提示するアライメント許容値と比較する事で、最終アライメントまでの工程を決める重要な指針にもなる。