FRPH024  加速器応用・産業利用  8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50
パルス大強度相対論的電子ビーム利用のためのビーム特性の計測
Measurement of Beam Characteristics for Application of Pulsed Intense Relativistic Electron Beam
 
佐竹 勇人,中野 竜也,高橋 一匡,佐々木 徹,○菊池 崇志(長岡技科大),今田 剛(新潟工科大,長岡技科大)
Hayato Satake, Tatsuya Nakano, Kazumasa Takahashi, Toru Sasaki, ○Takashi Kikuchi (NUT), Go Imada (NIIT, NUT)
 
水環境では医薬品の流出による水質汚染や人為的に他海域から移動してきた外来種による生態系の影響等が問題となっている.パルス大強度相対論的電子ビーム(PIREB)を用いた処理方法を検討しているが,PIREBの特性が明確ではないため,被照射体の最適な寸法や位置を決定することが難しい.本研究では,PIREBの照射特性として,三次元線量分布や運動エネルギー,発散角を計測するシステムの構築を目的とした.三次元線量分布の計測系の構築では,CTAフィルム線量計とLEGO®ブロックを用いて,ビーム進行方向に線量分布を計測できるシステムを構築した.長岡技科大・極限エネルギー密度工学研究センターに設置されているPIREB発生装置”ETIGO-III”から発生するPIREBについて計測した結果,PIREBは大気に取り出された直後の照射パターンは円環状であるが,輸送距離が長くなるにつれて照射パターンがくずれ広がることが確認できた.次に,ピンホールによって切り出したPIREBをCTAフィルム線量計で計測し,線量分布より発散角を測定した.また,電子ビームの軌道計算を行い,実験結果と同様にピンホールによって切り出されたPIREBのみディテクタへと到達することを確認した.最後に,ピンホールによって切り出したPIREBを磁場で偏向させ,運動エネエルギーを計測した.線量分布より,400 keV以上のPIREBが全体の90 %以上であることを明らかにした.