FRPH020  加速器応用・産業利用  8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50
ヒルとバレーのある弱収束型加速器の光学設計
Optical design of a weak-focusing accelerator with hills and valleys
 
○堀 知新,青木 孝道,羽江 隆光,関 孝義((株)日立製作所)
○Chishin Hori, Takamichi Aoki, Takamitsu Hae, Takayoshi Seki (Hitachi, Ltd.)
 
近年、陽子線治療システム用加速器の小型化が進展している。我々も、超電導磁石で主磁場を増強して小型化した、軌道偏心加速器を提案している。主磁場の増強によって加速器は小型化できるが、一方で、ビーム取り出しのためにセプタム電磁石に要求される磁場も大きくなる。本研究では、セプタム電磁石の仕様緩和に向けて、AVFサイクロトロンのように、ヒルとバレーによって磁場を構成することを考えた。我々が提案している新概念の加速器では、主磁場は弱収束磁場となっている。通常、弱収束磁場はビーム周回方向に一定の磁場分布だが、ヒルとバレーの磁場にしてバレーからビームを取り出すことで、セプタム電磁石に要求される磁場が低減できる。本発表では、ヒルが5T、バレーが4.3Tの弱収束磁場で、ビーム軌道が偏心した加速器の光学設計例を示す。設計磁場下でのビーム安定性は、ビームトラッキングでも確認している。