FRPH019  加速器応用・産業利用  8月2日 百周年時計台記念館 国際交流ホール 10:50-12:50
レーザー加速イオンの超伝導シンクロトロンへの直接入射の検討Ⅱ
Direct injection of laser-accelerated ions into a superconducting synchrotron II
 
○野田 悦夫,白井 敏之,岩田 佳之,水島 康太,野田 章,野田 耕司(量研機構),藤本 哲也(加速器のエンジニアリング)
○Etsuo Noda, Toshiyuki Shirai, Yoshiyuki Iwata, Kota Mizushima, Akira Noda, Koji Noda (QST), Tetsuya Fujimoto (AEC)
 
現在、量研機構で進められている量子メスプロジェクトの開発テーマの一つに、超伝導技術とレーザー加速を用いた重粒子線がん治療装置の小型化が挙げられており、その一環として、レーザー加速イオンのシンクロトロンへの直接入射に関するフィージビリティスタディをすすめている。前回、プラズマ生成点からシンクロトロンまでのBeam Transport、および、超伝導シンクロトロンに入射した後のビーム軌道を計算し、最終的な入射粒子数を調べた。4 MeV/u±6% の加速イオンを位相回転により約1/10にエネルギー圧縮した後、ビーム成形してシンクロトロンに入射した結果、1照射あたり、2×10^8個のイオンが入射可能で、垂直方向のエミッタンスが治療に使える値となるのは1×10^8個であることを報告した。今回、Beam Transportとパルス圧縮以降のレーザー装置とビーム発生チャンバーをシンクロトロンの内側に設置することを想定して、Beam Transportの検討を行った。シンクロトロンの内側の空間を5m×5m、レーザーとチャンバーの設置面積を1.5m×5mとすると、Beam Transportの使える空間は3.5m×5m以下となる。設置面積がこれ以下となるようにBeam Transportの設計を行い、最終的にシンクロトロンに入射できた粒子数を計算した。さらに、空間電荷、イオンエネルギー広がり、レーザーによる生成粒子のバラツキ等が、入射粒子数に与える影響についても検討を行った。